門脇俊介『フッサール――心は世界にどうつながっているのか』

フッサール ~心は世界にどうつながっているのか (シリーズ・哲学のエッセンス)

フッサール ~心は世界にどうつながっているのか (シリーズ・哲学のエッセンス)

フッサール(1859〜1938)
門脇俊介(1954〜2010)
 なんだか言っていることがしっくりこないなあ、と思ってずっと読み続けていると、最後の最後に、フッサールは表象主義と対立するような表現主義ともいうべき考えを持っていた、というような話が出てきて、それなら割としっくりくるかも、というところで終わった。そこ以外はよく理解できなかったせいもあるだろうが、何か意味のある事を言っているように思えなかった。

ちなみに「表現主義」と言われているのはこんなの↓

私たちが何か適切なふるまいを知覚を用いて環境のうちでなしうるから信念システムは正しい、というメカニズム
(101−102)

それまでずっと説明されてきた「表象主義」はこんなの↓

より根底的な表象からより高次の(論理的な)表象の正当化が起こることによって、信念システムが世界について正しい、というメカニズム
(101)