ヘーゲル『哲学入門』

哲学入門 (岩波文庫 青 629-5)

哲学入門 (岩波文庫 青 629-5)

 他人への譲渡に当たっては、物件をその他人に譲渡するという私の同意と、それを受け取るというその人の同意とが必要である。この二重の同意は、それが相互的に表示され、有効に言明されているかぎり、これを契約(Vertrag, pactum)という。
 説明。契約とは我々が他人のものである物件の所有者になるための特殊な方法である。前に述べた所有者になる方法は、無主物(res nullius)である物件の直接的占有であった。(1)贈与契約(Schenkungsvertrag)は、契約の最も簡単な方法とみられることができる。この場合には一人の人が物件を、その価値の代償を受け取ることをせずに他人に与えるだけである。有効な贈与は契約である。と云うのは、そこには一方の人が他の人にそれに対する代償なしに物件を譲渡し、他の人はその物件を受け取るという双方の意志がなければならないからである。
(p.69,第一課程 法理論、義務論、宗教論,十五節)

途中で飽きたので放棄。たぶん第一課程の第二節くらいまで読んだ。(2014.11.24)